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ホワイトデータセンター(WDC)の実現に向けて

WDC構想の概要

豪雪地にとって「雪」は厄介なものです。
しかしその「雪」保存することで夏の暑い時期に冷熱エネルギーとして活用できます。

美唄市において、1997年より産学官により雪冷熱エネルギーの利用研究を進める「美唄自然エネルギー研究会」が「ホワイトデータセンター構想®」を2008年に提唱しました。
2011年には美唄市が企業誘致の立場から同構想に参画。美唄市内の除排雪場を空知団地に集約し、雪冷房でデータセンターを冷房し、冷却コストの大幅削減を狙います。
また、サーバーの廃熱を周辺施設の暖房に利用するなどして、熱を介した産業クラスター形成を目指す地方創生プロジェクト。生産される農水産品の加工、雪温保存、スノーコールドチェーンなど“やっかいもの”の雪を逆転の発想で利用した街づくりを目指します。
北海道地図

WDC構想の優位性(空調電気料のコスト比較)

設定 ① 東京1500ラック
(従来型DC)
② 東京1500ラック
(新設DC)※ターボ冷凍機
③ 美唄WDC1500ラック
※ハイブリッド(雪+フリク)
サーバー室
設定温度
冷房内訳 消費電力
MWh/年
電力料金
千円/年
消費電力
MWh/年
電力料金
千円/年
消費電力
MWh/年
電力料金
千円/年
26℃ 冷凍機 41,733 688,595 16,561 273,252 不要 不要
空調機 6,403 105,655 6,403 105,655 6,403 82,603
フリー
クーリング
- - - - 6,907 89,106
雪冷房 - - - - 334 4,305
48,136 794,250 22,964 378,907 13,644 176,014
削減効果

美唄WDC利用の削減効果

③/① 削減率  0.22
③/② 削減率  0.465
①−③ 削減額  618,236千円
②−③ 削減額  202,893千円
設定 ① 東京3000ラック
(従来型DC)
② 東京3000ラック
(新設DC)※ターボ冷凍機
③ 美唄WDC3000ラック
※ハイブリッド(雪+フリク)
サーバー室
設定温度
冷房内訳 消費電力
MWh/年
電力料金
千円/年
消費電力
MWh/年
電力料金
千円/年
消費電力
MWh/年
電力料金
千円/年
26℃ 冷凍機 83,464 1,377,148 33,120 546,487 3,004 38,757
空調機 6,403 105,655 5,162 85,171 5,162 66,588
フリー
クーリング
- - - - 13,896 179,258
雪冷房 - - - - 334 4,305
89,867 1,482,803 38,282 631,658 22,396 288,908
削減効果

美唄WDC利用の削減効果

③/① 削減率  0.19
③/② 削減率  0.46
①−③ 削減額 1,193,895千円
②−③ 削減額  342,750千円

※設定条件

  • 8.0kw/ラック、稼働率70%、利用雪20万トン
  • 電力料金[東京電力11.47〜12.44円/kWh、北海道電力10.62円/kWh]
  • COP[従来型DC:2.5、インバーターターボ冷凍機:6.3]

実証2.NEDO実証事業

都市の除排雪から冷熱を取り出し熱利用するにあたっては、排雪中には土砂やゴミ、融雪剤などの不純物が含まれており、技術的課題により従来雪冷房施設では利用されてきませんでした。雪冷房システムのトータルコスト削減を目指し、都市排雪から効率よく冷熱を回収し、給雪コストを自治体排雪コストに転嫁することを研究目標に、2014年より5ヵ年事業で、美唄市の空知団地を研究フィールドに研究を進めいています。

  • ●事業名

    都市除排雪を利用した雪山貯蔵による高効率熱供給システムの研究開発

  • ●委託者

    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)

  • ●受託者

    (株)雪屋媚山商店
    (株)共同通信デジタル
    NHNテコラス(株)
    (株)環境技術センター
    (株)ズコーシャ
    室蘭工業大学
    美唄市

排雪の様子
排雪の様子2
NEDO実証事業イメージ

○サーバの冷却エネルギーとなる「雪」は、都市除排雪を利用することで、自治体が集雪を全面バックアップ。
○雪冷熱エネルギーを利用することで、PUE値の低減を目指します。

PUE=データセンター全体の消費電力
データセンター内のIT機器の消費電力

結果NEDO実証試験・試験状況報告(2016.3.23)

(平成27年度実証報告)

1. 試験設備
  • データセンター実証試験棟
  • 鉄骨造平屋建て、110.46²
  • 完成:平成27年9月18日
  • 20ラック(容量50kVA、増設可)
  • データセンター実証試験棟
  • データセンター実証試験棟
  • データセンター実証試験棟
2. 試験状況
  • 平成27年9月後半より雪冷房を開始、2月にはサーバー廃熱回収と食糧生産実証試験棟への暖房供給を実施した。平成28年度、通年運用試験を実施する。
  • 雪冷房のみ(電気冷房は不要)で、サーバー冷却(25℃設定)が可能であった。
  • 真冬でも、サ−バー廃熱のみで、ハウス内の暖房(真冬でも15℃)が可能であった。
  • 食料生産実証試験棟
  • 通年用ビニルハウス、155.52²
  • 完成:平成27年12月15日
  • 植物工場施設、陸上養殖施設
  • 食料生産実証試験棟
  • 食料生産実証試験棟
  • 食料生産実証試験棟
  • ハイブリッド雪冷房システム
  • 浸水式雪山下間接熱交換方式
  • 雪山:3000トン
    雪山熱交換路盤:300²
  • 夏期:雪冷房運転
    中間期:雪冷房+外気冷却
    冬期:廃熱暖房利用
  • ハイブリッド雪冷房システム
3. PUE(Power Usage Effectiveness、データセンターのエネルギー効率を示す指標)
【速報値】(2016年3月現在)
PUE速報値
  • ※1 今後、サーバー負荷が増えると数値が低下します。
  • ※2 今後、ハウスの負荷が増えると数値が上昇します。
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